2009年01月31日

一月日記

正月休みにまとめ読んだくらいの七冊。

1/28~ どっかいった。
1/27 「サーカス物語」を読む。
1/26 「カイバ」見たり漫画読んだりする。
1/25 「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」観てきた。
1/24 蹴上のあたりをぶらぶらする。
1/17~23 中華料理屋とかに行こうとしていた。
1/16 「人類は衰退しました 4」を読む。
1/13~15 何かしていた。
1/12 初詣。
1/5~11 ラーメンズのDVDとか見ていた。
1/4 正月休み終わり。ぶらぶらしてだらだらする。
1/3 「ゴーレム^100」「光のロボット」を読む。
1/2 「S-Fマガジン09年2月号」「宇宙飛行士ピルクス物語」(下)を読む。
1/1 親戚付き合い。「四畳半神話大系」を読む。

[振子仕掛けの陥穽/Metronomic Underground]


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2009年01月05日

「四畳半神話大系」

森見登美彦 太田出版

 大学三回生の春を迎えた「私」はあまりにも身にならなかった二年間を振り返り結論する。すべては唾棄すべき親友である小津のせいであり、大学入学当時違うサークルに入っていれば彼に出会うこともなく必ずや「薔薇色のキャンパスライフ」を手にしていただろう、と。結論はともかく相変わらず小津とぐだぐだした日々を送る主人公だが、運命の転換点は近づきつつあった。それも四つの平行宇宙のすべてで。
 珍しく出版と同時に読まなかったことを悔やむほどの傑作だった。いまどき平行宇宙を使った話ぐらいでは目新しくはないが、小道具やキーイベントを巧みに使う技術は安定しているし(「橋の事件」の真相などはすばらしい)、四回繰り返すうちに恋愛から友情へ物語の意味を摩り替えてしまう展開は楽しい。
 以下、自己満足的に内容の整理。続きを読む
posted by 魚 at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「TAP」

グレッグ・イーガン 河出書房新社/奇想コレクション

解りそうなんだけどもやっとしたものが残る作家代表格であるイーガンの新短編集。
「新・口笛テスト」 頭に残る音楽を作るテクノロジーの話。ショウガパンしからん・ちち・ちち。
「視覚」 脳障害によって視覚と視点がズレてしまった話。イーガンは「自己の客観視」が好きだなあ、というかそれとも、「客観視」というパターンをパロった話なのかな。結構いい。
「ユージーン」 子供を天才にする遺伝子治療を受けようか迷う夫婦の話。ひねくれたユーモアを過剰に満載して社会派な臭いを消そうとしてるのかな、と甘く見てたらオチにやられた。なんだこりゃ。
「悪魔の移住」 悪魔と自称する存在による饒舌なモノローグ。実験動物たちのフォークロア部分が楽しかったのでもうちょっと広げてほしいかな、と思った。あと「使い捨てた大学院生」のくだりとか。
「散骨」 事故や犯罪現場の写真に妄執を抱くカメラマンがやがてたどり着く結末。悪夢の論理でつむがれた幻想ホラー。こういうのも書くんだ。
「銀炎」 オカルト・ニューエイジ的な思想が盛り上がっていく世界で、奇病・銀炎の蔓延経路を追う話。なんとなく某神沈の一エピソードでもおかしくないな、と思った。『N空間の四肢分離神秘エンパス姉妹』のあたりとか。こういうの読むとイーガンの熱い倫理感は何で保証されてるのかな、と思う。
「自警団」 ある町の住民が「自警」のため使役する怪物の話。オチ話ではあるけれど、怪物が人を食べる描写のギャグっぷりとか、田舎の人間の閉鎖性とか、ちゃんと楽しい。
「要塞」 人知れず存在しているらしい「異質な存在」の話。環境難民とそれに反感を抱く人々を出しておくことで、恐怖・敵意の意味から問いかけるのはイーガンだな。こういうのを読むと主人公が淡々としてる話は面白い気がする。必死さに上手く感情移入できないからかな。
「森の奥」 自分を狙う殺し屋に、ある哲学への入信を勧められる話。まあ文字通り殺し屋に狙われてる必死さなら感情移入できないなんてことはないんだけど。でもやっぱり殺し屋側の必死さは結局ピンとこないままだったんだぜ。
「TAP」 あらゆる概念・感覚を伝達できる言語インプラントTAPの話。なぜか日本人が大好きな言語SFと呼ばれる系統に対する見事なひっくり返し。でも結論としては某短編集タイトル作とか巻頭作とかでおなじみよね。
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「ハーモニー」

伊藤計劃 早川書房/ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション

 <大災禍>の後、分子機械による医療テクノロジーによって医療福祉社会として再建された世界。社会理念の守護者である螺旋監察官でありながら思いやりを第一とする社会に息苦しさを感じる主人公トァンは、世界同時自殺事件と少女時代の自分のかかわりを予感する。
 イーガンの先、とか色々身近で好評だったけど正直よく解らなかった。というかそもそも自分にはイーガンをどう認識したらいいのかよく解らないところがあるので、これを読めばそのへんも逆向きに解るんじゃないかと期待していたのだけど、虫が良すぎた。イーガンは科学的世界観と強い倫理感が両立するというか、結局倫理は揺らがしてはいけないモノ扱いをしているんじゃないかという認識。一方この『ハーモニー』は倫理(の一部)を社会のシステム・政治化させた上でこんな社会は息苦しいよ!ってぶち壊してSF的世界の変革に向かう。でもその壊す理由を青春の苛立ち、ミァハのいびつな認識ゆえに、みたいなところでつけたのは解せない。イーガンと『ハーモニー』の間、倫理への懐疑と再定義がなされるのかと思っていたので、軽くいなしてカタストロフに向かってしまうのはそりゃ主人公のストーリーとしては理屈はまとまるし結末がつくけどぎゅんぎゅんくるような思弁を期待していた身には大層煮え切らない(というか世界設定の深さに対してキャラクターの認識と立ち位置が浅いんじゃないかという感覚)。もしかして登場人物の感情をちゃんと追えばある程度普遍な答えになっているのだろうか。
 どうでもいいことをぐちゃぐちゃ書いたけど、近未来的なガジェットの構築は好き。巨大建築の威圧感を消す心理工学的なテクノロジーとか、ありそう感とでもどうやってんだよ感のバランスが相変わらず絶妙だ。そういえば話者の感情を特定する「タグ記述法」の意味は、予想と正反対のほうに落ちたなあ。ちょっと悔しい。
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「天の光はすべて星」

フレドリック・ブラウン 早川書房/ハヤカワ文庫SF

 パイロット候補生でありながら最初の飛行で事故にあったため、エンジニアとして生きていくしかなくなった男。もはや60歳を目の前にして彼はふたたび宇宙への夢に精力をつぎ込むことを決意する。木星探査計画を推す議員をサポートするのだ。
 あらすじを聞いた段階では主人公像やストーリーの絡め手部分ばかりが気になっていたのだけど、いざ読み始めると緩急自在なストーリーそのものの面白さに持っていかれてしまった。まずSF小説読者として「宇宙への憧れ」の権化というべき主人公に感情移入、政治的戦略は議員さん自身が心得ているのでロケットのことだけ考えていていいという程よい距離感、それでも寸毫を惜しんで全米を駆け巡ってしまう気持ちを鮮やかに描写、議員さんと恋愛、業界の友人たちと友情と人間模様も的確に押さえ、読者の一喜一憂を掌握、そして計画と主人公にとっての危機を乗り切ってホッと気が抜けたところで急展開、これまでの行動派っぷりで注意を逸らしていた主人公自身に切り込み、かぶせるように弟一家とのかかわりを描き、一人の男の総決算と受け継がれていく夢として纏め上げる。いやいや、巧すぎではないだろうか、ブラウン。とりあえずこれくらいサクサク学位とれるなら自分も"星屑"になろうかなとか思った。
posted by 魚 at 15:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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