(遅刻したので冒頭は不明)
・アフリカを旅行したときの体験談(夜走る怪物や、樹木と人間の境界が曖昧な世界観など)。作風の超自然的な部分に活きてますよ、とかそういう文脈だったのかも。
*『家守綺譚』より「さるすべり」朗読。
*『家守綺譚』より「みやこわすれ」朗読。
・質疑応答開始。
・木に惚れられた体験
→北大の楡の木に抱きついてみたらアリだらけでフラれたなぁと。イギリス・ケント州で、通り過ぎた後も気になってしょうがい栃の木に戻って抱きついたこともある。これはいい感じだった。
・「檸檬」の訳
→そのままの引用元があるわけではなく半分創作で翻訳した。
・男女の書き分け
→意識して、ということはない。自然に、どちらが物語にフィットするか。大した問題ではない。
・どういうモノやヒトを好きになるか
→一冊の本として読みといてみたい気持ちになったことがあって、それを人に話したらそれは恋しているのだと言われた。恋とは違うかもしれない。境界線の向こうを自分に取り込んで消化したい。小さいときは松の木の下とかでずっとすごしていた。木の考えていることが解る気がした。
・その「読んでみたい」とは言葉としてですか。
→そういうわけではない。昔は人のことをよく解りたいというところがあった。今では、自分のイメージが他人に取り込まれるという相互作用によって人間が個人を超えた群れのような存在として成立する感覚がある。
・創作のきっかけ
→何かを伝えるには物語りという形式しかないと考えていた。
昔から語ることが好きである。ここに来る途中も新幹線の迷子アナウンスから妄想が広がった。そういうのを書いて放出するのがいい。そこに普遍的なテーマを与えたい。
・旅を好むこと
→定住していると大事なものが増えすぎる。
必要最小限のものだけパッキングして移動していく、そういう気持ちのあり方が好き。いつも本質的なものに向き合っていたい。
また旅の中では自分を俯瞰する視点と微視が同居する、それが貴重。
*『家守綺譚』より「ほととぎす」朗読。
*家守綺譚シリーズの書き下ろし「茶の木」朗読。
・また質疑応答。
・生まれ変われるなら
→木になりたいと思っていた。
今は、色んなことがちょっとは解ってきた気がするので、その記憶を持ったまま赤ん坊からやりなおしたい。ただ、人生の一番最初の記憶が生まれてすぐ「また一からやりなおすのか」だったのでもしかして何度もやりなおしているのかもしれない。
・ファンタジーについて
→「やし酒飲み」みたいなテーマも筋もないただ荒唐無稽に面白い、自分のもそうじゃないかな、と思っている。
・ファンタジーは現実逃避ですか
→そんなことないんじゃない?
*書き下ろし短編「コート」朗読。
・まだまだ質疑応答。
・執筆スタイル
→外から降ってきて感情が巻き込まれる。何でも自分が巻き込まれないと本質がわからない。これまでは言葉から真実を探していたが、今は人と人の関わりから見出していく。実体験との裏づけを持って言葉に対していく。
・小説について
→赤毛のアン読書感想文コンクールの中で、アンはおしゃべりだけど認識が言葉に制限されていない言葉以前の世界にいる、というものがあった。これに共感する。
・綿貫(『家守綺譚』の主人公)の造形
→彼の持っている資質は自分にもすべてあるはず。彼のように生きれたらいいなとも思う。
・作家として気をつけていること
→言葉にパターンを作ってしまわない。自分が本当に表現したいものを追及する。
・「家守」の舞台が京都の某所っぽいですが
→多分その想像であってます(笑)
*『西の魔女が死んだ』から抜粋(「おばあちゃんの遺書」)朗読。
・終了、のはず。
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