2008年12月07日

クエイ日和

近所の映画館が、ちょうど七時間少しぶっ続けでクエイ兄弟の映画が見れるプログラムだったので思い切って観てきた。寝坊しかかっただけあって映画中は眠らずにすんだけど、結構しんどかった。抜群の催眠効果。字幕がないとかセリフがないとか筋がないとかそんなんばかりだと頭がもやもやしてくる。人形アニメがウリのはずだけど、ダンサーに兄弟が演出をつけた「サンドマン」「デュエット」の二作が印象強い。バレエやダンスの類をマジメに観るのは多分初めてだけどプロのダンサーの表現力ってすごいなぁ。「ストリート・オブ・クロコダイル」と「櫛」のシュールな人形の不条理な彷徨は期待通りに楽しかった。あと印象に残ってるのは「ファントム・ミュージアム」と「レオシュ・ヤナーチェク」、「イン・アブセンティア」(これは眠さ的な意味で)あたり。休憩に出ている間に終わってしまった「スティル・ナハト3」が心残り。

「ストリート・オブ・クロコダイル」:からくりの中の街でおこる人形の右往左往。写りこみや時間の反復を活用して目眩のような気分。強烈なイメージの連鎖が楽しい。
「失われた解剖模型のリハーサル」:暗い小部屋を囲む非現実的な世界。いきなり眠い。
「櫛」:うなされる女性、そして彼女の夢の世界から現実を狙っているのか梯子を持ってうろうろする人形。ちょっとかったるいけど映像的に楽しいし一応展開があるのでまぁ。
(「スティル・ナハト3」)
「アナモルフォーシス」:よくわかるアナモルフォーシスの技法と思想。
「サンドマン」:ホフマンの「サンドマン」のダンス劇化。ダレてきたあたりで目先が変わって刺激的。
「ファントム・ミュージアム」:亡霊が案内する骨董医療器具コレクション。木彫妊婦模型とか分娩椅子とか頭蓋穿孔ドリルとか。
「デュエット」:バレエ作品。人が踊るのは何だか見てて楽しい。
「イン・アブセンティア」:部屋に閉じ込められ?閉じこもり?一心不乱に鉛筆をすり減らしては削る女。どうもモデルになった事例があるらしいけど。実験音楽とあわさって狂的病的な切迫感がひしひし伝わってくるんだけど何か長い。しんどい。
「ソングス・フォー・デッド・チルドレン」:PV四本立てっぽいもの。演出的にバンクシーンが多いのが眠気を誘う。「ファントム・ミュージアム」の一部とか出てくるし。
「ピアノ・チューナー・オブ・アースクエイク」:長編。一応今回の目玉。だけど話はよく解らない。人形アニメ分も中途半端な気がする。絵はずばぬけて綺麗だけど。
「人工の夜景」:部屋の中で夜の町を空想する男。動きが単調なのでしんどい。
「ストラヴィンスキー:パリでの日々」:ストラヴィンスキー作曲の自動ピアノにあわせてマヤコフスキー、ストラヴィンスキー、コクトーのパリの日々。字幕ほしいです。
「レオシュ・ヤナーチェク」:チェコの音楽家が作曲したオペラと彼の伝記を交えた作品。
「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」:シュヴァンクマイエル(アルチンボルドの「司書」の姿をしている)の元に少年(たぶんクエイの投影)がやってきて、二人は一緒にストプモーションアニメを作る。突然ハートフルストーリーでびびる。
「ギルガメシュ/小さなほうき」:翼の生えた獣人を捕まえ打ち据えるピエロ。ビラの解説をみるまで意味が解らなかった。ピエロがギルガメシュで獣人がエンキドゥか。えー?
posted by 魚 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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