2008年12月07日

「血液と石鹸」

リン・ディン 早川書房/ハヤカワepiブック・プラネット

すいすい読める超短篇集。言葉で作られた世界、それが本物であろうとなかろうと世界である、という話が多い印象。語学習得を題材にした作品が3,4本あるし、読めない本を集める人や、地図を純粋な記号の集まりとして見る人の話もある。デタラメなロックスター列伝「エルヴィス・フォンは死んだ!」とかこれまたデタラメな映画評パロディ「ただいま上映中」とかも実はこの流れにつながる気がする。個人的には(デタラメ系作品はもちろん好きだけど)「13」とか「負け犬」の何かドライなかっこつけた感じも好き。ユーモラスな話も実は視点はかなり距離を置いているってのが本当なんだけど。中々気のきいた話がたくさんで楽しい一時を貴方に約束します、という一冊。
posted by 魚 at 10:23| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『 血液と石鹸 』リン・ディン (著)
Excerpt: 牢獄で一人、何語かさえ不明な言語の解読に励む男の姿を描く「囚人と辞書」。逮捕された偽英語教師の数奇な半生が明らかになる「"!"」。不気味でエロティックな幽霊とのホテルでの遭遇を物語る「もはや我らととも..
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