2009年07月26日

「忌まわしい匣」

牧野修 集英社/集英社文庫

前半から後半にかけて現実から遊離していくみたいな構成。結構既読が多かったのでSFマガジンと異形コレクションに書かれたものが中心だと思うが、初出が書いてないようなのではっきりしない。

「忌まわしい匣 1」(枠物語)
「おもひで女」 既読。しょっぱなからこれか。
「瞼の母」 隠遁する男を追う母親との確執。幻想味の乏しい話では、暗い蓄積を圧縮してみせる趣向を何度か使ってる気がする。
「B1公爵夫人」 既読。やっぱりキーワードの使い方がセンス。
「グノーシス心中」 狂人に誘われ旅に出る少年。
「シカバネ日記」 みんな既に死んでいると感じ、死体になってかえってリフレッシュしてみるみたいな話。変な爽快さがある。
「甘い血」 外国人排斥論者の青年は奇妙な少女に魅入られる。正体不明の怪奇ではなく、いかにも伝奇っぽい設定が出てくるあたりちょっと変わっているかも。
「ワルツ」 謎の音楽家に拾われ軟禁状態で暮らす女。壮麗な悪夢の喪失に寂しさを感じる。
「忌まわしい匣 2」(枠物語)
「罪と罰の機械」 既読。
「蜜月の法」 地球の抱く妄想を封じるため現れた奇妙な戦士たち。短篇とは思えない詰め込み方だ。月世界小説――(傀儡后)――物語域シリーズの系譜っぽい。
「翁戦記」 既読。まっすぐな退魔物で作品集の中で浮いてんじゃね。結構好きなので再読。
「<非―知>工場」 既読。
「電波大戦」 既読。狂気を植え付けた人間を駒に闘争する二体の超越存在。のはずなのに妙に人間臭く、乱発される造語もいい感じに適当。これも結構好きなので再読。
「我ハ一塊ノ肉塊ナリ」 既読。
「忌まわしい匣 3」…平和な日常に乱入した異形により奇怪な話を延々聞かされるハメになった若妻は物語により自身の現実も侵食される、という枠物語だったのさ。
posted by 魚 at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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