2009年08月04日

「うたかたの日々」

ボリス・ヴィアン 早川書房/ハヤカワepi文庫

裕福青年コランは、友人主催のパーティでクロエという女の子と出会う。二人はたちまち恋に落ち、デートする。もどかしい日々を過ぎ二人は友人たちに祝福されながら結婚する。しかし、クロエが病気にかかる。肺の中に睡蓮の蕾ができたのだ。時同じくしてコランの友人たちの人生にも影が……。

自由なイマジネーションによって語られる青春小説。都会的なこじゃれた小道具と、グロテスクなのに何かこじゃれた奇抜なユーモアがポイント。惚れた女の子をうまく口説けないもどかしさを描くために、スケート場で大量殺人を起こしてしまうとか。すれ違いはじめた恋人のギスギス感を描くために、講演会で大量殺人を起こしてしまうとか。雰囲気醸成のための小道具や描写に耽溺するような文章でもあるので、今読むとべったべたにセンチメンタルだなぁと思えてしまうかもしれない。なので例えば真鍮シンクの光の反射と戯れるハツカネズミとか、傍観者でありながら妙に印象に残る料理人ニコラとか、そういう他愛ないのであろう部分が何故か愛らしい。考えてみれば邦訳だけでも30年以上前からあるので、大体の機微やアイデアが既に色々なお話に消化吸収されているせいだろうか。
posted by 魚 at 02:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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