2009年08月04日

「ベガーズ・イン・スペイン」

ナンシー・クレス 早川書房/ハヤカワ文庫SF<1704>

「ベガーズ・イン・スペイン」 遺伝子操作によって生まれた天才の無眠人たちと普通人の軋轢。親切と義務を巡るあれこれ。こういう根本的なテーマの話は具体的な実践から離れると急激にアホらしくなるので、結論はたいてい無難で身近なところへ落ちるもの。そのためには一般論から派手にミスリードする必要があるわけだけど、無民人たちのやりすぎな設定はそのへん上手く働いてると思う。便利なキャラクタが多すぎる気もするけど、このへんはしょうがないのか。
「眠る犬」 無眠人サイドストーリー。怒りに囚われた少女の奮闘。なんというか闇マーケットすげー。
「戦争と芸術」 既読。宇宙戦争と宇宙人文化と親子の確執話。状況設定が趣味じゃないし、キャラクターは鬱陶しい。
「密告者」 現実認識の異なる宇宙人が、彼らを調べる地球人研究者を内偵する。なんか地味だしすっきりしない。どうやら宇宙人とかのSFアイデアの扱い方において趣味があわないらしい。
「想い出に祈りを」 小話。記憶を捨ててまで若返ることへの懐疑。
「ケイシーの帝国」 SF青年の夢の終わり。さすがにここまでピュアなSF世代ではないのでそんな痛くは無いが、そのせいでオチの衝撃が和らいでしまった気もする。小説技術は直球に使われるより、こういうトリッキーな応用でこそ、と思うタイプだ。
「ダンシオング・オン・エア」 既読。遺伝子操作とバレエ、人生の選択。そういえばこれも親子話だったなー。
posted by 魚 at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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