2009年08月14日

「恋文の技術」

森見登美彦 ポプラ社

暢気な大学院生・守田一郎は、大学から離れ附属の臨海実験所で研究するよう教授に勧められる。何も無い田舎で修行するハメになった彼は、暇を潰し、また現実逃避のため「文通」を始める。研究室の同期、横暴な先輩、知り合いの作家、家庭教師をしていた少年、実家の妹、同時進行するあれこれは何やら一つの模様を描き彼を絡め取っていく。
韜晦と変な事件で騒ぎ立て、本心と現実からはひたすら眼を逸らし、最後に不意打ちしてくるのが黄金パターンである。が、今回は一転まっすぐな、素直な話。一応、主人公だけは韜晦しては変な事件を起こそうとしているものの、既に中盤から周囲がそれを許さない。早々と武装が解かれてしまうかわり、友人や家族への親愛が明示されていて、作中では描かれない終幕にも確かな信頼が持てる。結局のところ、いつにも増して色々凹まされる話。
posted by 魚 at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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